SKY SOUND
時冬華音の日常をくだらなく語ったブログ。 オエビイラストを更新しつつ、大好きなアニメや漫画やゲームなどについて熱く語っております。他に妄想爆裂(汗)創作なんかも随時更新してたり…。 同士切実募集中!(笑)創作はカテゴリーからジャンルを選んでお読み下さい
花帰葬
【花帰葬】 基本カプは玄花ですが…
ひっそりと花→玄風味のものもあったり
個人的には初代救世主&初代玄冬の絡みも好きです
結構、節操ないかもしれませんね(苦笑)
01 『代償』 玄花。白花埋葬EDより (2006.07.17)
02 『花白』 花→玄。シリアス語り (2006.07.18)
03 『痛み』 黒+玄。シリアス語り (2006.07.20)
04 『リミット』 花→玄。シリアス語り (2006.07.22)
05 『ファースト』 初玄+初救。シリアス語り (2006.08.03)
06 『雪の詩』 花→玄。OP前の2人 (2006.08.12)
07 『花雪』 花→玄。約束EDより (2006.08.13)
08 『生死』 玄+花。OP直前の2人 (2006.09.21)
09 『狭間の時』 玄花。銀の螺旋EDより (2006.10.16)
10 『例えば』 花→玄。ちょっとした小ネタ (2006.12.04)
11 『もうひとつの世界』 玄花。立場逆転パラレル (2007.01.19)
12 『雪の降る夜に』 初玄+初救。最期の日 (2007.02.03)
13 『玄冬』 彩紅と白梟の過去の話 (2007.02.27)
花帰葬

【玄冬】
「…返して!返して!!!私の子を!!!」
赤子の母親であろう女性は必死で訴えかける。
愛しい我が子取り戻そうと…フラついた足で縋るように手を伸ばす。
降り注がれる冷たい視線を掻い潜りそれでもなお大切なモノを取り戻そうと…
「これの事は忘れなさい。これは貴女を不幸にします」
「何を言ってるの!?その子は私の大切な子よ!私達の大切な…」
「大切な…?これは玄冬。世界に終わりを告げる。その意味がわかるでしょう?」
「そんなの関係ないわ!玄冬であろうと私達の子よ!」
哀れみの瞳が彼女を捕らえた。
片手に赤子を抱き、もう片方の手でナイフを握る。
そっと振り上げられたナイフに冷たい笑みを浮かべて…赤子は怯えたように泣き声を上げた。
慌てたように最後の力を振り絞り飛びかかろうする母の目の前で…
ゆっくりと時間が流れるように微かな笑みを綻ばせ…
一直線にナイフは赤子の胸へと突き立てられた。
「いっ…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
目の前の光景が信じられないと言った様子で悲痛の悲鳴が響き渡る。
「証明して差し上げましょう。これがどうしようもない化け物であるということを…」
ぐりぐりと胸へと突き立てたナイフを抉りつけるようにして刃を食い込ませ、溢れ出す鮮血は滴り落ちていく光景。
誰もが咽返るような吐き気を押さえつけて息を呑む。
脈打つ小さな心臓。
持っていたナイフを手放すと今度はそれを取り上げ、今にも倒れてしまいそうな母の前へと突き示す。
「おわかりですね?これでもこれは死なないのです」
冷静な口調でゆっくりとはっきりと言葉を続ける。
心臓を取り出されても死ぬことのない赤子は悲鳴のような泣き声を上げた。
「………あぁ、ぁ……こ…んな……」
「お可哀想に化け物を産んでしまったばかりに…でも安心しなさい。これは責任を持って私達が処分して差し上げましょう」
優しい笑みを浮かべ。
安心させるかのようにはっきりとした口調で…言葉は綴られる。
「どうして…こんなっ、酷ィ……コト、を…」
「これがこのモノの宿命…玄冬として生まれたモノの避けては通れぬ道です」
「違うっ!!玄冬なんて関係ない!!」
その女性は…
床へと転がったわが子の心臓を取り上げたナイフを拾い上げ…
瞳に涙を浮かべながら呟く。
「ごめん…なさい。私…守れなかった。貴方と私の…愛しい、子」
首元にあてがわれナイフの刃は…紅く紅く染まりながら彼女の命を奪う。
どうか…どうか…
我らが愛しの子の未来に光あらんことを…
『花帰葬』より彩紅+白梟
花帰葬

【雪の降る夜に】
約束してくれ…
俺が死んだ後もこの世界を見捨てないと…
この世界で黒鷹も一緒に生きていくと…
ざしゅ――――!!
鮮血が舞った。
剣を握る手が微かに震えたがそれを表に出してはいけない。
俺は…魔王玄冬。
この世界を破滅へと導く存在…この世界を冷たい雪へと閉ざしてしまう存在。
「まさか…あんたが連合と手を組んでいたなんてな…がっかりだよ」
あぁ…そうだ。それでいいんだ。
俺は裏切り者なんだ…だから殺してくれ…あんたの手で…早く。
「その方が後々いい利益が得られると思っていた」
「ふーん。っで、得られたのその利益とやら…」
そんなものなんかない。
ある筈がないだろう…?
「この結果を見ればわかるだろ…」
「そっか…」
自分では死ねない…救世主しか殺せない…
なんとも不便な体だよ…
人が人を殺しすぎることによって生まれた存在の玄冬。
この先、人が人を殺さない世界に生まれ変わる事なんてないに等しいだろう…
なのに何処かで祈ってる。
もう俺が生まれて来ることがないことを…
こんな思いをするのは俺だけで十分なんだ。
ここで終わらせてしまいたい…
だって…俺は………こんな世界でも、この世界が好きだから…
「お喋りがすぎるんじゃないか?俺を甘くみてると…お前が死ぬ」
膝をつく救世主の腕には傷がある。
紅く紅く…服の裾を染め上げていく鮮血が妙に鮮やかに広がっていく。
「別に…これくらいのハンデがあってもいいんじゃない?」
「…舐めるな」
俺は持っていた剣を振り上げて見せるが、それはあっさりとかわされてしまう。
あいつの方が強い…いや。強くなくては困るのだ。
俺を殺させるために…
「ねぇ…あんたさ、殺して欲しくてたまらないって瞳してる」
小声で…しかも俺にしか届かないような声で彼はそう言う。
瞬時に体が強張ったのが自分でもわかった。
「違うっ!違うっ!違う!!!」
否定的な言葉を並べてただがむしゃらに剣を振る。
これから先、当分はこの世界に平和が訪れるであろう…
その世界に俺はいらない…
俺がどんなにこの世界を好きでもこの世界は俺が居たら滅びるんだ。
死にたくない…死にたい…
殺されたい…殺されたくない…
俺は…本当は………
どんっ…と体に大きな衝撃が走る。
痛みなんか感じない。
あぁ…胸を貫かれたんだと数秒してから気がつく。
滴り落ちる血がこんなにも綺麗だなんて思ったことはなかったな…
これでいい…これでいいんだ。
俺は魔王玄冬…この世界を破滅に導く象徴なのだから…
『これがあんたの望んだ結末なわけ…?』
薄れ行く意識の中であいつはぽつりと呟いた。
こいつにはバレていたんだ…俺の芝居もその為にしてきたことも…
『花帰葬』より初代救世主+初代玄冬
花帰葬

【もう一つの世界】
それはちょっとした時の悪戯…
この世界の2つの分かれ道。
それをどう選ぶかは貴方次第でしょう?
「僕を殺すんでしょ?だって玄冬は救世主だからね」
目の前の少年がこの世界を凍りに閉ざそうとする象徴などと誰が信じるだろうか?
「ほら…逃げないでちゃんと僕を見てよ。息の根の詰まるその瞬間まで…」
振り上げた刃で俺はどうするつもりなんだろうか?
「本当は知ってたんでしょ?でも玄冬は優しいから…僕を生かしてくれていただけでしょ?」
違う…違うんだ。
優しいとか優しくないとかそんなことは関係なくて
俺はただお前に生きていて欲しいと思ったから…
今までずっと…これからもずっと花白と生きていきたいと思っていたから…
こんな世界は間違っている。
たった一人を殺せば世界中の何億人の人が救われるのかも知れないけれど…
それは同時に一人の人間すら救えない世界ということになる。
たった一人を救えない救世主が世界中の人間を救うことなんて出来るわけないだろう
『玄冬…もう時間はないんだよ』
それはわかってる。
雪がやまない世界はいつか凍て付く寒さで人々は死に絶えるのだ
今までこんなギリギリまで俺の自由を許してくれた白鷹には本当に感謝しているといっても過言ではない。
殺される為に生まれてきた存在。
誰もが君の存在を否定したとしても俺はお前を肯定するよ
「どうして…抵抗しない?」
「うーん。玄冬に殺されるなら別にいいかなって…」
彼は笑顔で言う。
「おまえは馬鹿だな…もっと自分の命を大切にしろ」
「ははっ…救世主が僕にそんな事言ったら皆怒るよ?」
選択肢は二つ。
彼を殺すか殺さないか…言ってしまえばそれだけのことだと…
…………。
花白を生かして…この世界を終わらせるのも悪くない…
でも…そうすれば彼はどうなる?
人々は死に絶えて…いつかは俺も死んでしまうのだろう…
そんな中、彼は死なずに独りで生きていくのか?たった一人で…?
一瞬の苦しみと永久の苦しみ…
本当に俺が彼の事を想うなら…本当に想うなら…
「…花白…すまない」
「うん…」
「出来るだけ苦しまないように…する」
「うん…」
振り上げた刃が鈍く光る。
逃げないでその瞳で彼をしっかりと見据えて…その息の根が詰まるその瞬間まで、俺は彼から目を反らさない。
それが俺の最期の仕事だから…
「玄冬…嫌な事させてごめんね」
「おまえが謝る必要なんか何処にもない…謝るのは…」
こんな世界を創った奴と…人を殺しすぎた奴達の存在。
俺はそれ以上は何も言わずにぎゅっと唇を結ぶ。
「玄冬?」
「おまえばかりに犠牲を強いらせたりはしない…」
「何…言ってるの?…まさか?!」
花白…おまえは勘がいいな…
でも、俺は決めたんだ。お前を一人ぼっちにさせたりはしない。
これは俺に対する戒め…花白を犠牲にしなければこの世界を救えなかった俺の罪への罰。
「花白…頼む…辛いかもしれないがおまえも俺から目を反らさないでくれ」
彼は納得はしていないようだったが、俺の意思の固さに諦めてくれたのだろう。
こくりと小さく頷くとじっとその緋色の瞳で俺を見据えていた。
こんなにも一瞬を永遠のような時間に感じたことはない。
振り下ろされた俺の剣はスローのようにゆっくりと円を描いたまま一瞬にして紅い鮮血が舞う。
これでいいんだろう?
これがあんた達の望んだ結末だろう?
だったらもういいだろう…
俺の使命は終わった。救世主の存在も要らなくなった。
花白ばかりに辛い思いをさせたりはしない…
俺もすぐに後を追うから…
また雪の上に紅い鮮血が舞う。
それは二人の約束の証…。
『花帰葬』より玄花パラレル
花帰葬

【例えば】
そう…例えば…例えばのお話。
君が僕で…僕が君だったら君はどうするの?
あぁ…この言い方だとちょっとややこしいかな…
つまりは君が救世主で僕が玄冬だったら…僕と君が今とは全く逆の立場だったら君はそどうするのかなって…
そう考えると面白いでしょ?
玄冬は凄く困ってた。
正確に言うと凄く考えた。
お遊び程度に投げ掛けた僕の質問に、眉間に皺を寄せながら考え込んでる。
その様子はちょっと面白い。
「この世界を守る為なら僕を殺すしかない。君なら殺す?」
「それは…!」
「それは…?」
僕は大人しく玄冬の返事を待つ。
「俺はお前ほど剣が上手く使えない」
「君が救世主ならちゃんと使えるようになってるよ」
にっこりと笑みを浮かべながら僕は言う。
もしもなんて言葉は今の現状を逃げるために些細な言い訳。
ヒトは決められた路以外を歩くことは出来ない…それを宿命と言うのだけど…
たまには逃げたって神様も怒らない筈でしょ?
長い沈黙…。
「…俺はお前を殺せない」
たった一言。
玄冬は喉の奥から言葉を搾り出したような声で言った。
それは世界よりも僕を選んでくれるという選択肢の答えと取っていいのかな?
君も僕と同じ思いを抱くのだと自惚れてもいい?
「ありがとう…」
「これはあくまでも仮定の話だ。だからお前が俺を殺さなくていい理由にはならない」
「わかってるよ。ごめんね…意地悪な質問して」
あー。ヤバイかも…頬の肉がつい緩んで笑顔が止まらないよ。
玄冬は本当に優しい…
そして僕はその優しさに甘えてばかりだ。
ねぇ…玄冬
例えばの話だって言ったけど、本当は何処かにそんな世界が存在してるかもしれないんだよ
世界というのは無限にあって…この世界はその中のたった一つだから
君が救世主で僕が玄冬とう世界があってもおかしくないんだ
「花白…。なんか今日は変だぞ?」
「そうかな?たまには変わったことを考えるのも楽しいでしょ?」
「…俺は疲れる」
「そうだね。じゃあこの話は終わりにしよっか」
「そうしてくれ…」
君が死ななくていい世界。
そんな逃げ場を探す気はないから…
僕は必ずこの世界をそうしてみせる。
玄冬……君が世界の為に犠牲になるなんて僕は絶対に認めたりしない
『花帰葬』より花→玄風味



























